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クリスタルを奪うため、ファブールに遣わしたカインがローザの前で取り乱してから、ゴルベーザはカインをゾットの塔に閉じ込めたままでいる。
心を操るためにかけている術がまだ完全ではなさそうだということがわかったのと、誰かと戦い傷つくカインを思うと胸が痛むせいで、カインにはローザの見張りだけを命じ、敵地に赴く必要がある際には四天王を動かすかもしくは自ら出向くことを選んだのだ。バロンに反逆の意志を示したセシルら一行にスカルミリョーネ、カイナッツォを倒されはしたが、カインを失うことを思えばまだ痛みはなかった。
一度だけ、本人の希望によりセシルたちの乗ったエンタープライズ号へメッセージを伝えるために赤き翼で向かわせたことがあったが、その時はゴルベーザも船尾のブリッジに同乗していた。その時を除けばカインは完全に籠の中の鳥で、腕力のない女性白魔道士であるローザの見張りをするという、傷つくはずもない安全な任務だけが彼の仕事だった。
ゾットの塔に戻り、最上階へカインを呼び寄せる。絹のような髪をした美しい顔立ちを見た瞬間に胸がざわめきたつのを感じた。ゴルベーザの命令で、竜を象ったマスクは既に脱いであり、小脇に抱えられていた。
「ゴルベーザ様、お帰りなさいませ」
カインの唇から出迎えの言葉を聞くと、胸苦しいような切ないようなたまらない気持ちになる。
「……ああ。今戻った」
マントを脱ぐのももどかしく、ゴルベーザはカインを抱き寄せた。カインの肌は白く、滑らかで美しく、触れているだけで戦闘で負った傷が癒えていくかのような錯覚に陥る。
「ゴ、ゴルベーザ様――」
両腕で抱きしめ、カインの唇を求めながら、ゆるゆると後退りするカインを白いシーツのかかった広いベッドへ追いつめ、仰向けに倒した。
微かな抵抗を見せながら、それでもそれをあからさまにすることはできず耐えようとしている艶かしい身体つきを見下ろして、ゴルベーザはカインの身に着けているものを引きちぎるかのような乱暴さでむしり取り、肌をあらわにしたカインの上に覆いかぶさった。
「――カイン――」
その肌に触れようとした時、カインが唇を開いた。
「ゴルベーザ様……お願いがあるのですが」
「何だ?」
一刻も待ちきれるものではなかったが、ゴルベーザは指を止めてカインの言葉を待った。
「セシルが、トロイアの土のクリスタルを手にいれようとしています。その時には、受け取りに行く役目を、ぜひこの私にお申し付けください」
「……」
あのファブールでの一件を思うと、セシルと接触させるのは気がすすまない。いつ術が解け、カインが正気に戻ってセシルたちと合流してしまうかと思うだけで、胸にもやもやとしたものがたちこめる。
「――なぜだ」
「バルバリシアにもルビカンテにも持ち場があります。クリスタルを受け取るために遣わしては手薄になります」
「お前はローザの世話をしていれば、それでよい」
そう言うと、ゴルベーザに組み敷かれたままのカインは目を伏せた。
「ですが……私もゴルベーザ様のお役に立ちたいのです」
「――」
ゴルベーザは絶句した。何と健気なことを言うのだろうか。いや、カインにしてみれば、バロン王であれゴルベーザであれ、上の者に忠誠を尽くす気概なのだろうが。元は竜騎士隊の隊長として前線で戦っていたカインに、人質の見張りなどという後方配置は満足いかないものだろうということは薄々勘付いていたものの、このような言葉で訴えられると、頭を殴られたかのような感覚に陥る。
長い睫毛が柔らかな照明で長い長い影を頬に落としている。カインはどんなに見ても見飽きないほど美しい。どんなに触れても触れ足りないほどいとおしい。
「――わかった。セシルが土のクリスタルを手に入れた時には、お前に任せよう――」
ゴルベーザは左手の指でカインの頬にそっと触れ、顎を伝って首筋に触れ、胸元を滑って腹に触れ、脚の付け根に触れた。
普段ならしないことだが、そうしたい気持ちにかられてカインの下腹に顔を落とし、開いた唇の中にカインのペニスを招き入れた。
「お、おやめくださ……」
狼狽したように震えたカインの指が、ゴルベーザの肩を押し退けようとする。ゴルベーザは構わず、唇を大きく開けて深くくわえ込み、舌と唇で吸い上げるようにして吸った。与えた刺激で、口の中のものが固く膨らむ。思い通りにならないことの多いカイン自身とは違って、されるままの反応を示す従順さがいとおしい。舌でなぞると、ゴルベーザの肩に添えられたままのカインの手がもう一度力なく抵抗の意思を示した。
「……ぅ……」
泣いているように吐き出される声を聞きながら、ゴルベーザはすっかり上向いているそれを唇からずるりと出し、指を絡めながら根元から舌で舐め上げた。
「や……、おやめください、ゴルベーザ様――」
途切れ途切れの息が、同じ言葉を繰り返す。
「なぜだ」
ゴルベーザは舌を這わせながら尋ねた。カインはしばらくの間ぐっと唇を噛み締めていたが、やがて小さな声で答えた。
「ゴ……ゴルベーザ様のお口が汚れます……」
「――」
カインのその答えは、想像していたどの言葉より恥じらいに満ちて偽りの影を見せず、ゴルベーザの胸を強く打った。
「――俺がしたいのだ」
ゴルベーザはそう言って、手の内に握ったそれに口づけた。
「いとしいお前を愛したい」
「……っ」
カインはのけぞり、顔を背けるように首をたわませて目を閉じた。そのままくわえ、唾液を絡めながら舌と唇、指を使って嬲る。カインはしばらく声を出さないよう耐えている様子だったが、そのうち徐々にゴルベーザの舌に腰を預け、脚を開いていった。
「ぅ――あぁ、はっ――」
根元の膨らみから上に向けて、時折唇を押し当てながら舌で丹念になぞり、先端までたどり着いたところで唇に包み込む。
「うぅん――はぁ、あぁ――」
わざと音を立てて激しく口から出し入れする。カインの声に甘えるような響きが混じってきた。抵抗を示すためにゴルベーザの肩と胸元に置かれていたはずのカインの指がいつしかゴルベーザの髪にかけられ、ゆるやかに浮かされた腰はゴルベーザの唇にあわせて悩ましげに動く。
「――ぁ――」
ゴルベーザの髪を掴むカインの指に、力がぐっと込められ、ぶるりと震えた。
「お、お放しください、ゴルベーザ様――」
掠れたような声で、切れ切れにそう懇願する。ゴルベーザは無言で舌と唇、指の動きを早めた。
「……も……もう――出ます……放し――」
カインの指と掌に一層力がこもり、ゴルベーザの口の中に生臭く塩辛い迸りがびゅくびゅくと広がった。ゴルベーザはそれを一旦舌先で味わい、喉奥へ通した。そのまま唇を離さず吸い上げると、カインの腰が逃げるように波打った。一滴も残さず吸い上げ、更に舌で絞り上げるように擦る。カインは切なげな吐息を漏らしてゴルベーザの髪をつかんでいた手を放し、再び肩へ添えた手でゴルベーザの身体を押し遣った。
「も――申し訳ございません――」
「構わぬ」
ゴルベーザは舌先で自分の唇を拭い、ようやくカインの脚の付け根から顔を上げた。
「……ゴルベーザ様……私が――私がいたします――」
カインはおずおずと手を伸ばし、ゴルベーザの天をさして立ち上がっているそれに触れた。そうさせたことがないわけではないのに、まるで初めて触れるようにぎこちないカインの手つきに、愛しさが増した。
「――今日はもうよい」
カインの手に手を添え、ゴルベーザは押し戻した。自分自身は吐き出さなくとも、不思議なほど満たされた。こんな気持ちになったのは初めてのことだった。
「しかし――」
「どうした。何をそれほど必死になっておる」
尋ねると、カインは悔しげに唇を噛んで目を伏せた。
「いえ――ただ、私は、何もしておりません。ゴルベーザ様のために」
カインはまた、さっきと同じ言葉を口にした。
「お前は俺の傍にいてくれれば、それだけでよいのだ」
ゴルベーザはカインの手を取り、その指に指を絡めて握った。
「俺がこれから世界を手にしても、またその逆に何もかもを失ったとしても――」
ゴルベーザはカインの美しい瞳を、気品に満ちた唇を、整った顔立ちをじっと見つめた。
「――それでも、俺の傍にいてくれ」
「はい、ゴルベーザ様――」
だが、ゴルベーザの願いに対するカインのその答えは、いつもと同じく、心を操られているにすぎないことを示す肯定の言葉に過ぎなかった。
虚しい。カインにいくら誓わせたところで、こんな言葉は――
ゴルベーザはカインを胸に掻き抱いた。
どこまでがカインの言葉で、どこからがカインの言葉でないのだろう。おそらく何もかも全てカインの言葉ではないのだろうが、それでも時折錯覚しそうになる。ゴルベーザを大切に思ってくれているカインの心の中には、ほんの少しでも本物が混じっているのではないか、などと。
馬鹿げている。そんなはずはない。全ては幻だ。
それでも、今のゴルベーザは、その錯覚に溺れたい気持ちでいっぱいだった。
「カイン、俺を愛してくれ――俺だけのものだと誓うのだ」
「はい、ゴルベーザ様――」
「俺以外の誰とも触れ合わないと――」
「はい、ゴルベーザ様――」
ゴルベーザは目を閉じた。腕の中のぬくもりは抵抗を示さず、ゴルベーザの抱擁をただ受け入れていた。
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渡辺諄子
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女性
自己紹介:
※当然ですが、FF4の公式(スクエア・エニックス)とは一切関係ありません。ファンが好き勝手なことを書いているファンサイトです。しかも腐女子向け。
※カップリングはゴルベーザ×カインです。
※カップリングはゴルベーザ×カインです。